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(工事中)

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Q
自動車部品メーカーであるわが社は従業員に作業着を着用することを
義務づけている。先日、ある従業員から「作業着に着替える時間は労
働時間ですよね」と質問された。確かに作業着の着用を義務付けては
いるが、これは安全・衛生面での配慮であり、作業着への着替え自体
は労務提供行為に当たらず、当然労働時間として認める訳にはいかな
いのだが?
A
労働時間の起算点をどこに置くか、明確にしなければ正確な解答を
出すことは難しい事例です。労働時間の始業とはいつをいうのでしょ
うか?門をくぐった時点をいうのか、それともタイムカードを叩いた時点
をいうのでしょうか?例えば8時始業と定められた会社の場合、8時
きっかりに門をくぐったのでは、間に合いません。また、8時きっかり
にタイムカードを叩いたとしても、タイムレコーダーが作業場ではなく
作業着の更衣室や正門に設置されている場合は間に合いません。
多かれ少なかれ、従業員は始業時刻に間に合うよう早めに出社を
する必要があるはずです。ここで労働時間の意味を考えて見ましょ
う。「労働」とは労働者が使用者の指揮監督下に入り、命令や指示
に従い、労務を提供することが可能な状態にあることを言います。
ですから、作業着に着替える時間は労務提供を行なうための準備行
為ですから、労働時間に含めるかどうかは会社の就業規則に委ねら
れることになります。即ち、労働時間に含めないとしても差し支えな
いと言えそうです。但し、危険有害業務や潜水業務など防御服や
潜水服など脱着に相当な時間が必要なものについては、労働時
間に含める方が妥当とされるでしょう。
<参考>
石川島播磨事件:東京地裁判決(昭和52・8・10)

Q
1時間遅刻した従業員を1時間の時間外労働をさせることで、遅刻
扱いを無くし相殺したい。この場合でも時間外労働手当は必要なの
か?
A
遅刻分をその日の残業で相殺する場合、あくまで1日の労働時間
が8時間を超えなければ割増賃金を支払う必要はありません。
法律はあくまで、どのようなかたちであれ1日について8時間を超え
た場合に割増賃金の支払義務を課しているわけであり、遅刻分を
埋め合わせ、1日8時間を超えなければ通常支払われる賃金で足り
ることになります。但し、それによって労働時間が深夜(午後10時〜
翌朝5時の時間帯)に及ぶ場合は深夜労働の部分について割増賃
金が必要になります。また、前日の遅刻部分を埋め合わせるため、
翌日に早出等をさせる場合は、その日についての労働時間が8時間
を超える場合は、たとえ前日の遅刻を埋め合わせる場合でも、時間外
労働についての割増賃金を要することになります。
。。。。。。
また、遅刻についてその日の残業時間で相殺するのであれば、その
旨を就業規則等で定めて必要は当然あります。
<参考>
遅刻した時間を終業時刻後に埋め合わせるとして、実労時間が8
時間以内であれば時間外労働としなくても差し支えない。
(昭29・12・1基収6143号)

Q
うちの会社は完全週休2日制(土曜、日曜、祝日)です。しかし、最近取
引先からの依頼で新製品の部品の製造のため、土曜日出社が多くなっ
ています。この場合、休日についての割増賃金(通常支払われる賃金
の3割5分以上)を支払わなければならないと思うのですが、会社は休
日は日曜日に確保されている訳であり、時間外労働の割増賃金(通常
支払われる賃金の2割5分以上)で足りると言い張っています。どうなの
でしょうか?
A
休日労働には通常支払われる賃金の3割5分以上の割増賃金を支払
わなければなりません。さて、ここでいう休日労働とは、完全週休2日
制の場合、どのような取り扱いがされるのでしょうか?法的に定められ
ている割増賃金の対象となる休日は法定休日を指しています。それ
では、この法定休日とは何でしょうか?労働基準法第35条によれば
「毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない」とされています。
(「4週間を通じ4日以上の休日」を与えれば毎週1回でなくても差し支
えないことになっています。)従って、実際上は土曜日に仕事をさせて
も法的には労基法第35条の法定休日が確保されているため、会社
は土曜 出勤について、休日労働についての割増賃金(3割5分以
上)を支払う義務を負う必要が必ずしもあるわけではありません。
<参考>
割増賃金の対象となる休日は労働基準法第35条の休日のみ
である。但し、法第35条の休日以外の休日労働により週の法
定労働時間を超える場合には、時間外労働の割増賃金(2割
5分以上)の支払を要する。
(昭23・4・5基発537)
(昭63・3・14基発150)

Q
有給休暇の計画的付与をする場合の手順は?
A
年次有給休暇は年次有給休暇を取得している労働者(入社した
年は6箇月、以後は1年間継続勤務し、出勤率が8割以上の労
働者に最初の6箇月については10労働日、以後1年増すごとに
1日を加算した日数、20労働日になったら以後加算しなくてもよい)
が請求した場合にその希望する時季に希望する日数を与えなけ
ればならないことが建前です。でも、会社にとっては、事業の運
営上休まれては困る日も当然あるはずです。そのため、労働基準
法では「事業の運営を妨げる場合」に他の日に変更することがで
きるとされています。(会社側の時季変更権)実際は「有給休暇
が欲しくても、忙しくてそれどころじゃない」や「請求しづらい」など
休暇の消化状況はあまりスムーズにはいかないようです。
そこで、有休消化を促進するため、昭和63年4月以降「計画付与」
が認められるようになりました。

前置きが長くなりましたが、この「計画的付与」の手順としましては、
会社と従業員代表者(労働者の過半数で組織される労働組合が組
織されている場合は、労働組合)との書面による労使協定を締結し
なければなりません。即ち、会社の一存では決められないというこ
とになります。この「計画的付与」の実施方法は、全社一斉でもよいし
部門別、職種別でもよいことになっています。もちろん、個人バラバラ
に指定してもよいことになります。但し、この「計画的付与」は各労働
者の保有する休暇から5日を控除した日数に限られています。(即ち
少なくとも5日間は労働者が自由に指定できる日として保留されている
ことになります。

Q
うちの会社の従業員はダラダラと残業している者が多く、困っています。
何かよい対処方法はありませんか?
A
本来、1日の労働時間は8時間までと決められているため、1日8
時間を超える時間外労働(ここでは残業としましょう)は認められて
いません。しかし、1日8時間という枠では収まらない場合も当然、
予想されるため、会社と労働組合等との間で「時間外・休日労働
に関する協定」(いわゆる36協定)を締結し、行政官庁(労基署)
へ届出た場合はその協定の範囲内であれば、時間外労働等が
できることになっています。そのようなことから、そもそも時間外労
働というのは、「どうしてもやむを得ない場合」に限ったことであり、
労働者が勝手に行なうことができるものではありません。
しかし、最近は「残業代稼ぎ」として時間外労働をするケースも多く
これには困ってしまうでしょう。これを対処するには、やはり上司が
「時間外労働が多い労働者は逆に評価が下がる」ということを、きち
んと部下に伝えるべきでしょう。また、業務命令がなければ残業を
行なってはならないとする旨をきちんと明確にしておく必要もありま
す。無意味な残業は経費のムダなのですから。その他、仕事量が
多すぎる場合は、仕事配分の割り振りを検討し直したり、相談に応
じたりする必要があります。アウトソーシングの活用やパート社員や
派遣労働者の活用なども残業を減らし業務効率化につながる重要な
手掛かりとなるかも知れません。

Q
平成12年度から「企画業務型裁量労働制」がスタートしたといわれて
いますが、この「企画業務型裁量労働制」とはどのような制度なのでし
ょうか?
A
裁量労働制は業務遂行手段や労働時間管理を使用者が細かく
指示するのではなく、労働者の裁量に委ねるというもので、労使
協定の締結により、その協定に定められた時間を労働した時間
とみなすことができる制度です。これまでは、新商品の研究開発
やデザイナー、公認会計士や弁護士など11種類の業務に限定
されていました。平成12年度からは事業運営上の重要な決定
が行なわれる事業場(本社や本店、常駐役員の統括管理下に事
業運営上の重要な決定の一部を行なう権限を分掌する事業本
部など本社機能のある事業場)において「企画・立案・調査・分
析」の業務であってそれら業務遂行の手段及び時間配分の決定
等に関し使用者が具体的な指示をせず、労働者の裁量に委ねる
必要がある場合で、事業の運営上重要な決定が行なわれる事業
場において労使委員会を設置し、対象業務や対象労働者の範囲
などを決議し、所轄労働基準監督署長に届出ることによって導入
することがでるようになりました。(※平成16年1月1日以降は改正
されています。概要はこちらをご参照下さい。)

Q
休憩時間中は自由に利用することができると、就業規則に書いてあるの
ですが、外出する場合は上司の許可を必要とするというのはおかしいと
思うのですが?
A
休憩時間について、法律では@「労働時間の途中に与えること」
A「一斉に与えること(例外規定もあります)」B「自由に利用させ
ること」を原則としています。しかし、休み時間中なら何をしようとも
自由であるというわけでもありません。あくまでも、@「労働時間の
途中」であるため、規律や秩序は十分に守らなければなりません。
外出する場合についても、帰社するまでの時間が休憩時間を超え
るおそれがないか、行き先はどこなのかなどを事前に把握しておく
必要も会社側には当然あるといえます。従って、外出に許可を要す
ること自体が自由利用の原則に触れることにはなりません。但し、
許可制をとる場合でも、不許可とする場合については十分に配慮
する必要はあります。
<参考>
規律保持上必要な制限を加えることは、休憩の目的を害さない
限り差し支えない。
(昭22・9・13発基17)





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